SOGIEとは何か
SOGIEとは、以下の4語の頭文字を組み合わせた概念です。
- Sexual Orientation(性的指向)
- Gender Identity(性自認)
- Gender Expression(性表現)
これに身体的特徴(Sex Characteristics)を加えた「SOGIESC(ソジエスク)」という表記もあります。SOGIEは2011年ごろから国際社会で使われはじめ、日本では2015年ごろから広まりました。
4つの軸——それぞれの意味
Sexual Orientation
誰に恋愛的・性的な関心を向けるか。異性愛・同性愛・両性愛・無性愛など多様なあり方がある。
Gender Identity
自分をどの性別だと認識しているか。「心の性」とも言われる。出生時の性別と一致しない場合がトランスジェンダー。
Gender Expression
服装・髪型・言葉遣いなど外見で自分の性をどう表現するか。性自認とは独立しており必ずしも一致しない。
Sex Characteristics
染色体・ホルモン・生殖器などの身体的特徴。インターセックスはこの多様性のひとつ。
4つの軸は独立している
4つの軸はそれぞれ独立しており、一方から他方を推測することはできません。たとえば次のような多様な組み合わせが実際に存在します。
- 男性の性自認を持ち、男性的な服装を好み、男性に惹かれる(シスジェンダーのゲイ)
- 女性の性自認を持ち、スーツが好きで、男女どちらにも惹かれる
- ノンバイナリーの性自認で、服装は日によって異なり、特定の性別に惹かれない(アセクシュアル)
LGBTQとSOGIEの関係
| 概念 | 対象 | 主な用途 |
|---|---|---|
| LGBTQ | 性的マイノリティを指す言葉 | 当事者・支援の文脈で使われる |
| SOGIE | すべての人の性のあり方 | 多様性・包括的な制度設計・教育の文脈で使われる |
SOGIEという枠組みを使うことで、「LGBTQの人々への特別対応」ではなく「すべての人が尊重される環境づくり」として施策を設計しやすくなります。これが学校・企業・行政でSOGIEという言葉が使われるようになった背景です。
SOGIハラとは
SOGIハラとは、性的指向(SO)・性自認(GI)を理由とした差別・嘲笑・いじめ・暴力・不当な扱いなどのハラスメントです。本人の同意なく性的指向・性自認を第三者に暴露する「アウティング」もSOGIハラの一形態です。
職場・学校での活用
SOGIEの概念を職場や学校に取り入れる際のポイントを整理します。
- アンケートや書類で性別欄を「男・女」の二択にしない(「その他」「回答しない」を追加する)
- 「彼氏・彼女はいるの?」ではなく「パートナーはいるの?」と聞く
- トイレ・更衣室・制服など施設・規則の見直しをSOGIEの観点で行う
- 研修でSOGIハラ・アウティングの事例を具体的に共有する
よくある質問
Q. 「SOGI」と「SOGIE」の違いは?
SOGIはSexual Orientation・Gender Identityの2軸。SOGIEはそこに性表現(Expression)を加えた3軸の略語です。さらに身体的特徴(Sex Characteristics)を加えるとSOGIESCになります。日本の法律・行政文書ではSOGIが多く使われますが、現場では包括的なSOGIEが広まっています。
Q. 「SOGIEを持っている」と言えますか?
言えません。SOGIEは「すべての人が持つ性の構成要素の枠組み」であり、人を指す言葉ではありません。「SOGIに関するマイノリティ」「SOGIEの多様性を尊重する」のように使います。
Q. SOGIEはなぜ必要な概念なのですか?
「LGBTQ問題」として特定の人の問題として切り出すのではなく、「すべての人の性のあり方」として捉えることで、職場や学校の制度設計・教育がより包括的になります。また、当事者が「自分だけが特別扱いされている」と感じにくくなるという効果もあります。
出典・参考
- UN Free & Equal「SOGIE Fact Sheet」
- 連合「LGBTとSOGIについて」
- 厚生労働省「職場におけるダイバーシティ推進事業報告書」
- LGBT法連合会「LGBTQ報道ガイドライン第2版」