LGBTQの割合はどれくらい?
日本と世界の調査データを比較・解説

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「LGBTQは人口の何%いるのか」という問いに対する答えは、調査方法・質問の設計・社会環境によって大きく異なります。複数のデータを比較しながら、その背景も含めて解説します。

日本の主要調査データ

調査機関対象・方法結果特徴
電通グループ「LGBTQ+調査2023」20〜59歳約5.8万人/ウェブ約9.7%自己申告式ウェブ調査。モニター登録者が対象
イプソス「LGBT+プライドレポート2024」26か国比較/ウェブ日本は約5%世界平均は約11%。国際比較が可能
「働き方と暮らしの多様性と共生」研究(大阪市)確率標本抽出調査2019年約3.3%無作為抽出でバイアスが少ない。より保守的な数値
ReBit「LGBTQ子ども・若者調査2025」12〜34歳当事者4,733名当事者を対象とした実態調査割合ではなく当事者の経験・困難を詳述

数値にばらつきが生じる主な理由

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調査方法の違い

ランダムサンプリング(無作為抽出)か非ランダム(ウェブモニター)かで大きく異なる。無作為抽出の方が一般的に保守的な数値になりやすい。

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質問の設計

「あなたはLGBTQですか」という直接質問か、「どんな性別の人に惹かれますか」という行動・感情を問う形かで回答が変わる。

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心理的ハードル

日本では自分の性のあり方を「言葉にしにくい」「カミングアウトしにくい」環境があり、実態より少なく出る可能性がある。

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年齢層の偏り

若い世代ほどLGBTQであることを自認・表明しやすい傾向があり、調査対象の年齢構成で数値が変わる。

世界との比較

国・地域LGBT+割合(イプソス2024年)
世界26か国平均約11%
アメリカ約28%(Gallup 2023年。特にZ世代で高い)
英国約17%
日本約5%

日本の割合が国際比較で低めに出る背景には、カミングアウトしにくい社会環境や、「自分はLGBTQに当てはまるのか」という認識のしにくさがあると考えられています。

数値を読むときの注意点

「%が低いから日本にはLGBTQが少ない」という結論は早計です。「いない」のではなく「言えない」「気づいていない」人が多い可能性があります。調査の数値は社会の許容度・調査方法を反映したものでもあります。
  • 同じ社会でも、調査によって3〜10%と3倍以上の差が出ることがある
  • 数値は「現時点で自認・回答した人の割合」であり、実際の存在数の下限に近い
  • 特定の年齢層・地域に偏った調査は全体を代表しない

割合より大切なこと

「何%いるか」は、LGBTQの人々が存在するという事実を数字で示す手段のひとつに過ぎません。3%でも5%でも10%でも、その人たちが日常生活で不利益を受けていることに変わりはありません。

30人のクラスに1〜3人、同じ職場の100人の中に3〜10人。数字を「自分ごと」として考えると、LGBTQの人々が身近にいることが実感できます。

出典・参考

  • 電通グループ「LGBTQ+調査2023」
  • イプソス「LGBT+プライドレポート2024」
  • 「働き方と暮らしの多様性と共生」研究チーム(大阪市・確率標本抽出調査、2019年)
  • ReBit「LGBTQ子ども・若者調査2025」
  • Gallup「LGBT Identification in U.S. Ticks Up to 7.6%」(2023年)